一言 短歌集

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令和六年(2024)一月 セピア色の レコードに針落とせば 貴方の温もり あの時の恋 愛でるのは 僕一人のみ 君が愛 シンビジウムの 愛そのままに 浜茄子は そして悲しく 美しく あの短夜を 嗚呼激しくも 振り向けば 藪椿の下 君が背よ 遠ざかり行く 淡雪越しに 令和六年(2024)二月 春なれば 雪割草が 花開く 彼の人繋ぐ 恋路となりて 物憂げに 乱るる髪を 口含み 情炎燃ゆる きりしまつつじ 笹百合の 花待ち人は 寝転びて 茎撫でるのを 百合は応えじ 菜の花の 小さき幸を ふところに 君との恋を 灯火にして 令和六年(2024)三月 花もまだ 咲かぬ山ゆり 持つ吾に 小首傾げて 艶と微笑む 渓流に 未だ咲かずの サツキ有り つれなき君と 見まごうほどに 花などに惑わされるは我が心君が微笑に胸は高鳴る 君と見し浜茄子の花栞にし微かに薫旅情の行方 燃え上がる想いは今は灯火でつつじ咲くころ気付く初恋
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