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プロポーズ
皆が、落ち着いた頃、
改めてお茶を入れようと、さくらが席を立とうとした時、隣の大和がさくらの手を掴んだ。
立ち上がるのをやめ、不思議そうな顔をしたさくらを、真剣な顔で大和が見つめた。
「待つって言ったけど…、気持ちは待てるけど…、俺、やっぱりさくらと結婚したい」
目の前に座る、大和の突然の言葉に、茜や弥生達は驚きながらも静かにその様子を見守っていた。
少し戸惑うさくらに、
「さくらが辛い時、大変な時、嬉しい時も、一番に俺が駆けつけたい。いや、一番先が俺じゃないのは嫌だ」
と、訴えかけるように話す大和。
「幸せにしたい。本当にそう思うから、俺と結婚して下さい」
そう続けた大和に、さくらは黙って頷いた。
断られるのを覚悟の上だった大和は、さくらが頷いた事が信じられず、
「話聞いてた?俺プロポーズしたんだよ?俺と結婚するんだよ?」
と、さくらを問い詰めた。
すると、さくらが微笑んで、
「うん。大和と結婚する」
そう答えた。
その言葉を聞いて、思わず大和はさくらを抱きしめた。
大和に抱きしめられながら、
「今なら信じられるよ。大和のこと。あの日が間違いじゃないことも」
そう大和に語りかけると、
「もちろんだ。あのときから、ずっと、ずっと好きだった…」
と大和がさくらに答えた。
大和とさくらの幸せそうに抱き合う姿を、茜と弥生と拓海は、二人以上に幸せそうな笑みを浮かべて見つめていた。
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