24人が本棚に入れています
本棚に追加
集まりの日
大和からの連絡を無視し続けて、次の集まりの日になっていた。
今日はお店で食べたいと私が健太に提案したのだ。
部屋だと、大和と二人になる可能性があるかもしれない。
今日は、しばらく居たら、様子を見て帰ろう…と、さくらは考えていた。
さくらがお店に着くと、すでに五人は席についていた。
「お店で集まるのもいいねぇ〜!なんせ、準備も片付けも無し!」
と、笑う健太に、さくらも笑顔で答える。
大和からの視線を感じるが、それはスルーだ。
そんな大和を見ないようにして、笑顔で南と詩織のそばに行く。
2時間、皆に気づかれなかったか、ヒヤヒヤしながらも、大和も何も話さないから無事に会は終わった。
そして、私はトイレと見せかけて、
「ごめん!用事ができた!」
とお店の外から南にメールを送って、そのままお店を後にした。
「急ぎ?気をつけてね!」
「また、来月ね〜!」
という皆からのメールに返信をしながら部屋へと帰る。
そして、大和からのメールに体が固まる。
メールを開くと、
「話したい」
とだけ書かれていた。
『忘れてよ…』
そう思いながら、さくらは返信ができなかった。
それから翌月も、皆にバレないか不安になりながらも、さくらは集まりに参加していた。
そして、この日の話題は、毎日のようにデートしていたはずの大和が、ここ最近誰ともデートせず、ただ静かにしているらしいという事。
出会って15年。
今までにない、大和の初めての行動に、皆理由を聞きたがったり、茶化したりしていたけれど、大和はただただ黙っていた。
最初のコメントを投稿しよう!