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現実
「…。」
ベッドの上、少し上半身を起こして隣に寝ている男の顔を見つめる。
「…夢…、じゃない……。」
お酒に酔っていなかった私には、鮮明に蘇る記憶を幻覚だと思いたい気持ちが、言葉になって溢れた。
寝ている男を起こさないようにそっとベッドを抜け出し、服を着て部屋を出た。
…そのまま、振り向かなかった。
しばらくして、何度かの着信があったけれど、私は気付かないフリをした。
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