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3話
リベールは翌朝、重苦しい気分で学園にいた。
仕方ない、あのエアロには婚約解消を叩きつけるしかなかろう。レア嬢に快くあんなバカ男は譲ってしまおうか。リベールはそう内心で考えていた。
親友のロエラ・コーク伯爵令嬢だけには、打ち明けても良いか。ブツブツと言いながらも教室に入る。
「あら、リベール様。どうかなさいました?」
「ロエラ様、ちょっと。昼休みになったら、中庭に出ませんか?」
「構いませんよ、そうしましょうか」
「助かります、ではそのように」
「ええ」
ロエラは頷いて、自身の席に向かった。リベールは人知れず、ため息をついた。
お昼休みになってから、リベールは中庭でも人気のない所にロエラを連れて行く。
ロエラは首を傾げながらも付いて来る。ちょっと、奥まった場所にガゼボがあったのでそちらに向かい合って二人で座った。
「それで、中庭に来ましたけど。何かありましたか?」
「ええ、その。ロエラ様、私ね。エアロ様と婚約解消をしたいと思いましてね」
「……んまっ、婚約を?!」
ロエラは大きな声で言った。リベールは「声が大きいわ」と小声で注意をする。ロエラは、両手で慌てて口を塞ぐ。
「し、失礼しました、けど。婚約を解消って穏やかではありませんわよ」
「それは分かっているわ、けど。もう我慢なりませんの」
「そうですか、確かに。近頃のエアロ様のやり方には目を塞ぎたくなっていましたけど」
ロエラは落ち着きを取り戻したが、ため息をつく。リベールも同様だ。二人して今後について、話し合うのだった。
リベールは昼食を急いで食べると、ロエラと共に教室に戻った。途中でエアロがレア嬢といちゃついているのが目に入ったが。無視して、見ない振りをした。授業を受けながら、両親にどう切り出そうかと思い悩むのだった。
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