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3-03 異質 同質
昨日とは打って変わって秋晴れの中。
裏庭から現れた三坂ミズキが驚いたのは、和室がきちんと開け整えられて、その奥にミナコがお行儀よく座っていたからだ。普段であれば、この部屋を管理するのはミズキの日課であった。
大きな座布団の上に、ちょこんと乗っかったミナコ。
赤茶色のポロシャツに、下は黄色がかった白ズボンという出で立ちは、少女というより中性的な印象であった。朝は寒かったのであろう、傍には上着が脱ぎ捨てられている。
そして、ミズキの背後から現れた苫己シュウ。
「いい度胸じゃあないの」
と、細い目で睨みつけたのが、昨日のことを指すのは明確であった。
ミズキとシュウと、大堀ミコとの三人。それぞれ学生服のまま連れ立って現れたのは、事前に示し合わせてきたのだろう。
三人は縁側から上がり込み、シュウがミナコと対するように座った。その傍らにミズキ。
ミコが給仕に回ってしまったのは、これから交わされる話が、ミナコを中心に展開してゆくものだからだ。ミナコにとって、ミコが最も遠い関係性の人ということである。
「ミナコ。説明をしてもらいましょうか」
シュウが話の口火を切った。
「学校なんかどうでもいいわ。遊びに行きたければ、勝手にするといい。けどね、昨日はあんなに危ないものと関わって、わからないことを口走って。まさかそのままで済むとは思っていないでしょうね」
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