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「この前の夜。みんなが戦った後で、私はあれが自分と同質のものだって気付いていた。ううん。あの時、既に一部を取り込んでいたの。それで、本体に会ってみたくなった」
既に取り込んでいた、という部分に、ミズキは激しく反応した。
シュウにとっても同様に、驚きではあった。しかし彼女にとっては、それだけではなかったようだ。
「待ちなさいミナコ。あなた、あれが同質だって言ったわね」
シュウの指摘。
ミナコは「それは ……」とこぼしたきり、湯飲み茶碗を口にしたまま、言いにくそうにしてしまった。言葉がなかったのではない。
これ、受け入れられるのかな
越ミナコとは、そういったことを懸念する。それで喉の奥に控えている言葉が、これまでにもたくさんあったのだ。
そうして、すっかりだんまりを決め込んでしまったミナコ。シュウは不快を隠さなかった。
「ねえ、ミナコお嬢ちゃん。ここまできて隠し事っていうのはなしよ。これは大事な問題なの。私は知るまで帰らない。お喋んなさい」
言ったきり、口をきゅっと引き結んだシュウ。
その沈黙に、帰らないだろうな、とミナコは確信する。少なくとも一晩くらいは。
観念した。
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