3-01 みんなの子

4/4
前へ
/76ページ
次へ
 (こし)ミナコには、ただで褒められ可愛がられる、ということが理解できない。  それでいて、それらを求めたがっていた。  しかし、自分から何かしようとすると、激しい抵抗感を生じた。  そんな彼女が、自ら飛び出し異形の黒衣を吸収してしまったということ。  それがどれほどの重大さであったのか、仲間たちの誰一人として認識していない。  それは当然のことだ。  表面上は「私」と自称しているミナコが、心では「ボク」と自称している。そのことすらも、他の誰一人知りはしないのだから。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加