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健多の語り
僕は、このカフェがあって
変わらない日常があって。コーヒーが好きで。
変わったものといえば、家族が出来たことくらい。僕の趣味も全く変わってないがもう歳も歳だ。しかし、全く退化したかといえばそういう事でもない。歳をとったなりにだけど、、、
健多とリヴが家にいて、家の寝室で話している。
リ おやすみなさい。
健 あっ、あのさぁ、、、子供も寝たことだし、、、その、、、
リ うん、、、実は私も思ってた、、、ねぇ、、、キスして、、、
健 うん、、、
といって二人はキスをした。
健 ひっ、、、久々だね、、、
リ 嬉しいわ、、、
二人が愛し合う。お互いに触れる。
(健多の語り)
若い時のように激しく愛し合うことはしないけど、、、
だけど時々。たまにこんな時間はまだある。
でも僕はずっと妻が好きだけど、それ以前に、、、
なんて僕は男なんだろう、、、
僕の妻は積極的だ。僕の妻は、、、
(若い頃の健多の回想) (健多の語り)
僕はあまりにも、奥手だった。
だから、女性に対して話すことなんてあんまりなかった。だけど若い頃の欲求や好きな人に対するモヤモヤとした気持ちというものは自然と発生した。
当然、当時片想いしていた妻にもあまり話しかけることはできなかった。生身の女性は苦手で、職場の人なら話せるレベルだった。
だから、夜な夜な一人心の拠り所を画面の向こう側の女性に託していた。裏切らないから。夜の店なんてなおさら行ったこともなく。
そんな趣味が付き合って割と直ぐに妻にはバレてしまったが、僕よりも妻の方が積極的だった。
リ 健多さんの、全てが知りたい、、、
なんて言われた日には、、、
こんな女性いるんだって驚いたと共に、むしろ彼女だったから僕と付き合えたのかなと思っていた。
裸になることよりも、恥ずかしいことを彼女に色々見せた。だけど、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。むしろ僕を知ってくれる嬉しさの方が大きかった。
妻が僕の身体に触れる度、そんなことを思い出す。
(15年後の健多に戻る)
リ ねぇ、、、健多さん、、、
健 うん、、、?あっ、、、
リヴは健多の繊細な部分に触れている。
リ 私の事、、、おばさんになっても好きですか、、、
健 うん、、、リヴさんはずっと綺麗だよ、、、
僕の方こそ、おじさんになっても、、、好きですかっ、、、
リ うん、、、大好きよ、、、
リヴの髪を撫でながら、健多はそう話した。
健多には背中に傷がある。その理由は後々出てくるのでその時に。
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