私の友人

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ああ、疲れた。説得は思ったよりも難儀だった。何しろ、上官には悪印象が残ってしまってるだろうから。でも、これで豊太郎の実力がわかれば、上官も機会を与えてくれるに違いない。私は豊太郎に手紙を送った。『上官に仕事をつけてもらった。これで、成果を出して戻ってこい。』後は彼の努力次第だ。  数ヶ月後、豊太郎から手紙が届いた。向こうの記事と一緒に。私は嬉しく思った。希はまだあるらしい。早速、届いたそれを上官に渡した。上官は豊太郎の記事に驚いていた。暫くはこれで稼げるだろう。  そしてどのくらい経った頃だろうか。ある日、仕事でドイツに滞在中の上官が言った。君の友人と話をしたい。これは願ってもいないことだ。豊太郎に名誉回復の機会を設けることができる。私は早速、この旨を彼に伝えた。
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