1.俺の可愛い幼馴染み

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「庶民って可愛い子がいいとか、料理が上手い子とかがいいんじゃないの?」 (貴族って平民をそんな風に思ってるのか? むしろそれもプラスであればいいけど、一番はもっと別なものだと思うんだけど……)  村には子供が俺とルーカス以外にもいるけど、女の子はあまり外に出なかったりするので会う機会はほとんどない。 「可愛いかどうかは俺が決めるし、料理は相手じゃなくて俺がするから料理上手じゃなくていい」  家事を妻がやるとか仕事は男がやるとかそういう固定概念は俺にはない。適材適所。得意な方がそれをやればいいし、二人とも苦手だったら二人で協力してやればいいというのが俺の持論だ。 「お兄さん変わってるね。でもドラゴンは俺も見てみたいかも! お兄さんがドラゴンで新婚旅行するなら俺の町にも遊びに来てね」 「俺もそんな人がいれば嬉しいけど……、まぁ無理だろうな! はははっ」 (はははっ。なんとかうまく誤魔化せたらしい) 「お兄さんは誰かと付き合いたいとか思わないの?」 (結婚の話は上手くかわせたのに、次は付き合う人の話題か。子供って好奇心旺盛だよなぁ)  そう思いながら自身の価値観を思い浮かべてみる。 「うーん、俺は恋愛とか結婚には興味ないからなぁ。もし付き合うなら、その人と結婚したいなとは思うけど」 「じゃあ、お兄さんと付き合う人は結婚するまでに世界征服してドラゴンも使役しなきゃいけないんだ。大変だね……。もしその人が世界征服できなかったらどうするの?」 (まさかさっきの厨二病な発言が効かないとは思わなかったな。この質問はどう答えるべきか……) 「そうだな……。その人が俺の父さんより強いならいいかな」 「…………お兄さんのお父さん、そんなに強い人なの?」 「俺の父さんは元騎士団長だったから強いよ。俺一回も勝てたことないし」 「じゃあ、お兄さんと付き合ってなくてもお兄さんのお父さんを倒せたら付き合えるってこと?」
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