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「それはない。俺にも好みがあるから誰でもいいってわけじゃないし」
「ふーん、お兄さんってやっぱり変わってるね」
「そうかもな。さて、そろそろお迎えが来たみたいだぞ?」
俺たちの視線の先には『坊ちゃまー!』と叫びながらこちらに向かってくる執事らしき人物と、その後ろには鎧に身を包んだ複数の護衛らしき人物が向かってくる。
「あー、見つかっちゃった。お兄さんには素敵な相手がもういるみたいだから、結婚したらその人と隣の大陸のセントラルに遊びに来てよ。じゃあね」
意味深な発言を残し、お互いがどこの誰だかわからないまま俺は買い物を済ませて家に戻った。家に戻るとリビングには両親とルーカスが揃っていて、買い物の荷物を置いてテーブルを囲うと、俺は今日あった出来事を話した。
俺が話している間、三人は話に耳を傾けながら時折難しい顔で何かを考えているようだったが、それは俺の話しが終わっても変わらずそんな様子に俺は、厨二病発言が痛いと思われているのだろうかと若干の居心地の悪さを感じていた。すると今まで黙っていたルーカスが口を開いた。
「世界征服にドラゴン……」
その口調と声のトーンから、年上なのにそんな常識のないことを言うのかと呆れているというよりも何かを考えているように感じる。
そして俺がルーカスに何をそんなに考えているのか聞こうとしたとき、父さんが重たい口を開いた。
「どうしてもドラゴンでなくてはダメか? 飛竜なら父さんのいた騎士団にもいたし、俺が操縦して二人を乗せて旅行に行く事だってできるぞ」
なぜ父さんは俺が結婚相手に望むことを父さんが叶えようとしているのだろうか。俺の厨二病発言のせいで話がどんどんややこしくなってい「世界征服してドラゴンを使役できるような子と私仲良くしてもらえるのかしら……」
母さんは母さんでそんな凄い子と仲良くできるだろうかと悩んでいるようだ。
「みんなそんな真剣に考えないでよ。そんなことできる人なんていないって俺だってわかってるって。重要なのは愛だろ?」
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