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俺の新しく親になってくれた両親は、元騎士団の団長と今は亡き隣国のお姫様だったらしい。
隣国が存命中に遠征したその時の騎士団長だった父が一目惚れして二人で駆け落ちしてこの国にやってきたそうだ。
そしてそのタイミングの少し後に隣国でクーデターが起きて母の国はなくなったみたいだ。
というのは直接両親から聞いた話ではなく、隣の家の母親がこっそりと教えてくれたのだ。
騎士団長という身分に何の未練もなかった父はあっさりと仕事を辞めてこの村で母とのんびり暮らしているらしい。
(お姫様と敵国の騎士の駆け落ちとか絵本の物語みたいだ)
子供の俺ですらそう思ったくらいなのだから、よくこの村の人たちがそれを受け入れたなと思う。
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