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1.俺の可愛い幼馴染み
「騎士ってかっこいいよなぁ」
村に魔物の討伐に来ていた父の元部下の騎士と父が戦う姿を見た俺がそう呟くと、三歳年下のルーカスが「エルは騎士が好きなの?」と聞いてきた。
俺の名前はエルリオだが、両親が俺のことをエルと呼ぶのを真似てルーカスも同じように俺をエルと呼んでいる。
「騎士が嫌いな人なんていないだろ」
「ふーん」
昔は『にーちぇ。にーちぇ』と俺の後ろをついて回って可愛かったルーカスは、あっという間に俺の鼻くらいまで身長に成長した。
(三歳差なのに身長が追いつかれそうで嫌だな)
前に一緒に一つ離れた町に買い物に行った時も、買い忘れを買いに行くからそこで待ってろと言って噴水の前で待たせていたら女性たちに声をかけられていた。
「エル!」
俺を見るなり座っていたルーカスが勢いよく立ち上がって俺に駆け寄ってくる。
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