神の威光と言霊と

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「数字にも意味があるんだぜ。三位一体って言葉は知ってるか?」 「キリスト教の父と子と聖霊、ですよね」 「そう。けれどそれだけでなく3は他の宗教や数学、建築などの分野でも特別視される数字だ。日本でも三種の神器、造化三神、その他三箇日だ三々九度だと何かと有り難がられるだろ。仏教にも三身即一という言葉もあるしな」 それを聞いた奈月が小さく首を傾げた。 「そういえば3は良い数字だって友達が言ってたわ。誕生日の数字を足して占いをやるやつでも3は相性の悪い数字がないとか」 「そりゃ多分運命数占いってやつだろ。それ以外にも語呂合わせで満ちる(みつ)と掛けて満ち足りるから縁起が良いとも言う。こっちは言霊だな。それはともかく3は陰陽道では安定を意味する。1は始まり、2は繋がり、3は安定。つまり1柱の神さんを2人一組の番が、3組で守ることで、作った神さんを安定させようっていう腹積もりなんだよ」 ありとあらゆる護法を利用して門を閉じようというその配慮に、この門を守ることがこの国や世界にどれほど大きな影響を与えるかが伺い知れる。 それはつまり三家とこの人形の姿をした神に掛かる大きな責任を感じさせた。
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