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「なるほど……でしたら僕も少しはお役に立てるかもしれません。Tokiグループのネットワークにその手の情報が掛かれば、回すように手配しましょう」
龍也が眉を顰めると、奈月がフォローを入れる。
「優さまはTokiグループの御曹司だから」
「げ、あの『歯ブラシから宇宙開発まで』ってアレか?」
Tokiグループは大手コングロマリットで、キャッチフレーズ通り歯ブラシから宇宙開発までを手広く手掛けている。
時久財閥が前身だが、彼の曽祖父の代にリスクヘッジを考えてコンツェルンから業態変化した。
おかげで不況下でも多角的アプローチにより成長を遂げるモンスター企業だ。
「僕は三男ですし、後継ぎは兄に任せています。しかし僕の裁量で動かせる人間も幾らかは居ますから、手を回しておきます」
「流石はイケメン御曹司じゃの。テレビに出るだけのことはある」
どうやら引きこもりの神様は初めての著名人との邂逅に浮かれているらしい。
龍也はそれをジトリと見てから大きくため息をついた。
「そりゃありがたいが…… 様付けで呼ばせてるのはそのせいなのか? あまり良い趣味には思えないんだが」
「それは……」
「違うわ。私がそう呼びたいってお願いしてるのよ」
何かを言おうとした優を遮り、奈月はきっぱりと断言する。
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