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 やがて、火事は完全に鎮火した。紺雨龍は瑠璃の近くへ戻り、先ほどよりも小さくなっているような気がする。浮いていても三郎の身長の少し上くらいしかない。大きさは自由に調整できるらしい。瑠璃は仕込み刀を納める。布がすっと消えていく。雨も弱まり、晴天が広がっている。  冬の雨は寒い。三郎は身震いした。 「火鉢にあたりたいな……」  ぼそ、と呟いて瑠璃を見ると、瑠璃は全然濡れていなかった。 「瑠璃は……濡れていないんだな……」 「かみさまだからな。こいつとけいやくしてそうなってしまった」  瑠璃は嫌そうな顔で紺雨龍を一瞥する。 「ははは。だが、現世に来られただろう。どうだ、この町は?」  紺雨龍が尋ねる。 「まぁ……いいところなんじゃないか。ごはんがおいしいからな!」  紺雨龍は「戻る」と言って小さくなり、瑠璃の仕込み刀に巻きついて、やがて消えた。 「戻ったのか?」 「あぁ、たしかに。そんなかんしょくがする」  瑠璃は仕込み刀を腰に挿す。 「さて、さぶろう」  瑠璃は山の方を指差す。避難していた住人たちが慌てて山を降りているのが見える。 「かれらをどうしようか?」  三郎はこれからのことを考えて呆然とした。あんなにたくさんの人に、起こったことを説明しなければならないのか。  瑠璃を見る。 「なんだ?」  この厄介者の少年を連れて。
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