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そして僕は県でも有数の進学校に入学しそこでも成績は常にトップを取り続けた。年を重ねるごとに少しづつ目には見えなくとも月に近づいていることを実感しそれを火種にまた努力を続ける。
その繰り返しが実ったことを知らせる旧帝大の一つの合格者番号にある僕の数字、また一歩月へと近づいた。
大学での生活は学年が上がるごとに僕の胸を躍らせた。ようやくあと少しの辛抱で僕の人生は報われる。
主席での卒業を控えた大学4年の冬、僕は夜まで大学に残って門が閉まるギリギリまで勉強を続けていた。
その帰り道で空を見上げるとくっきりとした満月が僕を照らしていた。満月が僕が来るのをまだかまだかと待ち望んでいるように見えて僕も満月を見つめ続けた。
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