その弐

1/1
45人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ

その弐

その弐。 博物館で働いていた時のこと。 ×××古墳という、巫女さん達だけを埋葬した墳墓がある。 道路開発の為に、この古墳が発掘されることになった。 古代のセコムが働いたのか、もしくは起こしてはならぬモノを起こしてしまったのか 事故が続いた。 調査のA先生が、地面に埋まっていた二メートルの姿見を踏み割り、大怪我。 Bさんは、草刈りをしていたら、石に電動草刈り器の刃が当たり、刃が外れ顔面に飛んできて大怪我。 C先生は、年代を測る為に深い穴を掘るんだが、その穴に転落し踵を複雑骨折。 D先生は、手を振った瞬間、スパリと親指が切れたという。 D先生は、博物館が一番近いという事で、親指から血を流しながら入ってきた。 バンドエイドを巻きながら 「今の現場ヤバイですわ。一週間に一人は怪我をするし、他の先生方は怖がって行きたがらないし。ね、俺に何か憑いてません?」 「あー。はい、長い髪の毛が頭の上から足の下までぐるぐるに巻かれてますよ。お祓い行ってください。」 そう、D先生の体は真っ黒だった。 黒々とした長い髪が何重にも巻きついている。 「だから、最近体が重いんすっねぇ。」 幸い人死は出なかった。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!