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その弐
その弐。
博物館で働いていた時のこと。
×××古墳という、巫女さん達だけを埋葬した墳墓がある。
道路開発の為に、この古墳が発掘されることになった。
古代のセコムが働いたのか、もしくは起こしてはならぬモノを起こしてしまったのか
事故が続いた。
調査のA先生が、地面に埋まっていた二メートルの姿見を踏み割り、大怪我。
Bさんは、草刈りをしていたら、石に電動草刈り器の刃が当たり、刃が外れ顔面に飛んできて大怪我。
C先生は、年代を測る為に深い穴を掘るんだが、その穴に転落し踵を複雑骨折。
D先生は、手を振った瞬間、スパリと親指が切れたという。
D先生は、博物館が一番近いという事で、親指から血を流しながら入ってきた。
バンドエイドを巻きながら
「今の現場ヤバイですわ。一週間に一人は怪我をするし、他の先生方は怖がって行きたがらないし。ね、俺に何か憑いてません?」
「あー。はい、長い髪の毛が頭の上から足の下までぐるぐるに巻かれてますよ。お祓い行ってください。」
そう、D先生の体は真っ黒だった。
黒々とした長い髪が何重にも巻きついている。
「だから、最近体が重いんすっねぇ。」
幸い人死は出なかった。
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