その肆拾壱

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ある時、家で漫画を読んでいたら Sさんからメッセージが来た。 「大丈夫?kちゃんの生霊そっちに行ってない?攻撃されてない?」 なんだか、その文章というよりSさんが怖くなって既読もつけず返信もしなかった。 そしたら電話が鳴った。 Sさんからだ。 出るのが怖い。 ので、ごめんなさいと思いつつ無視をした。 続いてメッセージが 「大丈夫?」 そして電話。 が、何回か続いた。 一時間後 Uさんから電話が来たので出てみた。 「Sさんが、あなたに電話が繋がらないてっ心配してたわよ。」 「あー。ごめん。スマホ忘れて出掛けてた。」 と、嘘をついた。 「とりあえず無事なのね。私の所にもkちゃんの生霊が来て怖かったのよ。あなたの所にも来て、倒れてるんじゃないかって心配してたわよ。」 数人に生霊を飛ばすことが出来る程、kさんは力があっただろうかと、そこでも首を傾げた。 kさんは、ティチャーの資格を期間中に取れなかった。 この頃には、kさんはグループの中で孤立していたようにも思う。 そして、ヒーリングの会に来なくなったからなのか、それともティチャーの資格を取るのをやめたからなのか分からないが、生霊はピタリと止んだ。 ふ、と思うんだ。 全てSさんの自作自演だったんじゃないかって。 力が高い人てっさ、化けれるんだよ。 誰かのフリをしてさ、生霊を飛ばすの。 で、皆はその生霊がkさんだと思ってるからさ、kさんに返しちゃうんだよね。 Sさんが 「kちゃん、やつれちゃってかわいそうね。」 と、笑っていた。 あと、先生のkさんの評価が人によって違ったのも気になった。 tさんは「先生から聞いたのだけど、kちゃん筋がいいって。誉めてたわ。」 と。
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