月夜のアロエ

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 連絡を取り始めて3ヶ月ほどした時、自然の流れで会うことになった。待ち合わせのロンドン橋にやってきた彼はぽっちゃり体型で全然格好良くなかったけれど、優しい笑顔をしていた。  歩きながら、彼はずっと笑顔でつまらないジョークばかり繰り出した。全く笑わない私を彼は面白いと言ってくれたが、私よりすれ違う犬の方に気を取られているみたいだった。  彼は古びたダイナーでご飯を奢ってくれた。将来何になりたいかと聞かれ分からないと答えたら、彼は見たこともない真剣な顔で言った。 「君は女っぽくて虐められてると言ったな? 人とちがう感覚は今はコンプレックスでも、大人になれば大きな強みになる。君にしかできないことをやれ。一つでいい、これだけなら誰にも負けないってことを見つけるんだ」  私は服に興味があった。それを伝えたら、「じゃあスタイリストになればいい」と彼はニカッと笑った。  悪くないかもと思った。
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