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友人から教わった住所を頼りに、トレヴァーが入院する病院へ向かった。病室のベッドにいた彼は以前の肉付きの良い男とは見違えるように痩せて顔色も悪く、瞳だけが少年のように円らだった。
私の姿を見た彼は、まるで幽霊でも見るかのように目を丸くした。私たちはしばらくの間見つめ合っていた。
「どうして……」と彼の口から細い声が漏れた。久しぶりに聴く声だった。私は彼に詰め寄った。
「どうしてと聞きたいのは私の方だ!! 何で病気のことを隠してたの?! 言ってくれたらいくらでも支えたのに!!」
彼は沈痛な表情で俯いた。
「君に無様な姿を見せたくなかった。心配させて悲しませて迷惑をかけるくらいなら、いっそ恨まれるような方法を使って君の前から消えようと……」
「ふざけんな!!」
ビクッと彼の肩が跳ねた。病室の前を通りかかった患者と医者が驚いてこっちを見たけれど、構わず怒鳴り散らした。
「そんなのあんたの思い込みだ!! あんたの嘘のせいで、私がどれだけ傷ついたと思ってる?! 責任を取れ!! 責任を取って、死ぬまで私と一緒にいろ!!」
彼は泣き出した。子どものように声を上げ、顔をくしゃくしゃにして。大人の男がこんな風に声を上げて泣くのを、私は初めて見た。
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