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「待てよ?
鐵源郷にしては随分と人が多いような…クソダボ侯爵一味の罠かもしれん…」
今一度周りを見渡しながら陸攻。
ルー帝国義勇隊にとって敵とはいえ、貴族其も侯爵を捕まえてクソダボ呼ばわりするのは御挨拶だと考える者もいるかもしれない。
しかし、陸攻は元々バカがつく程に筋金入りの偉い奴嫌い。
そんな彼にしてみれば、クソダボという罵倒語すら貴族如きには勿体無い文言であるのかも知れなかった。
話を戻そう。
イ侯爵とバカ勇者とアホ魔女の姿が見当たらないからといって、油断し警戒を解くなど以ての外。
あの時アホ魔女がワンドの先から放った禍々しい光を、間違っても鐵源郷の人々に浴びさせる訳には行かない。
其処へ大剣を携えたバカ勇者が斬り込んで来たら正しく泣き面に蜂。
ものの例えではなく本当に、取り返しのつかない最悪の事態を招く恐れがあるのだ。
やがて1つの事を試すべく先程よりも注意深く周りを見渡してみる陸攻。
目の前を通り過ぎて行く様々な時代の様々な国の様々な服装を纏った様々な立場に在ったであらう老若男女の中から一番落ち着いて見える1人を選び、陸攻は声を掛けてみるのであった。
「すみません。
もうすぐ列車が到着するのですか?」
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