55人が本棚に入れています
本棚に追加
ヒント 4
シャツをはだけてキャミソールの裾をつかんでパタパタやると、ツルリとフリスクが滑り落ちてくる。
カショカショと振ってから、二粒だけ取り出して舌に押し付けるようにして置いた。
ー ピリピリしない、刺激的じゃない、私の汗腺が皮膚を突き破らない。
ナニコレ、美味しくない。
つまんない。
痛くないもので糖分を摂取するだなんて。
そんなのはお断り!!
太るなら好きなものを食べて太りたいの私は。
「からいやつがいいよ~。これ、甘いやつだよね?いらない、捨てる、キライ」
「機嫌悪いな、ミサ。やっさんにもフラれたの?」
「じゃんじゃんじゃーん!蹴るぞ!」
爛れ果てた幾つもの恋のそれぞれを、きちんとしっかりスケジュール通りマメにこなす年齢不詳の色ボケ店主は、数十分前にここへやって来た私に店番を任せると、鼻歌交じりに身だしなみを整えて、E子とのランチへ出かけて行った。
ん?G子だったっけ?
いい、いい、B子もF子もS子もG子も、みんなきっとやっさんに愛されてるんだから。
それに、その店主、やっさんは、もれなく当然のように私のことも愛してる。
最初のコメントを投稿しよう!