愛しただけ

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愛しただけ

 あの人を愛しただけ  だけど、焦がれた人の視線は違う方へと向いていた。楽しい酒が美味しくない。  ねぇ、愛して  素直に言えたらどんなにいいだろう。  だけど、言えたのはいつもの言葉。 「素敵だね。さおり」 「ありがとう!!」  酒の勢いで大胆になったさおりが、伸ばした両腕を首に回して、引き寄せている。  黒髪ロングヘアーの頭部から、あの人と同じシャンプーの香りがした。
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