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秘め事 ☆
「任務中も、ずっと、お前のことばかり考えていた」
言って、男はローゼの華奢な身体を軽々と抱き上げ、豪奢な寝台に、そっと横たえた。
「私も……です。ユリアン様……」
恥じらいの表情を見せながら呟くローゼは、長い黒髪に映える、染みひとつない白い肌と、深く澄んだ青い大きな瞳が印象的な、可憐な少女だ。
ユリアンと呼ばれた男は、緩く波打った銀色の髪に菫色の瞳を持つ美丈夫である。
氷のように冷たく整った美貌と、鍛えあげられ、すらりとした彫刻のような肢体は、女たちの目を奪わずにはいられないだろう。
横たわるローゼに覆い被さると、ユリアンは彼女の桜桃を思わせる小さな唇に自らの唇を重ねた。
更に、その逞しい腕をローゼの背中に回し、少し力を込めて彼女を抱きしめる。
「ん……ッ」
唇を塞がれたままのローゼは、思わず、くぐもった声を漏らした。
ユリアンの滑らかな舌が、唇をこじ開けて口の中に侵入してくるのを、ローゼは感じた。
何度も抱きしめられながら、口内の敏感な部分を舌で探られ、それだけでローゼは気を失いそうだった。
ようやくローゼの唇を解放したユリアンは、彼女の首筋に唇を落とした。
首筋から肩にかけて何度も接吻されていたかと思うと、不意に耳朶に軽く歯を立てられ、ローゼは、思わず、ぴくりと身を震わせた。
同時に、ユリアンの手が、薄物の衣の上から、ローゼの二つの胸の膨らみを焦らすように軽く撫でさする。
やがて、慣れた手つきでユリアンがローゼの衣の合わせ目をはだけると、華奢な身体に対して豊かに揺れる膨らみが露わにされた。
恥ずかしさに頬を染めるローゼをよそに、ユリアンは彼女の白い果実のような乳房を掬いあげるように揉みたてた。
そっと撫でているかと思えば、不意に鷲掴みされる……予想できない緩急をつけた愛撫だ。
彼の手が動く度に、触れられた部分から、甘い痺れに似た感覚がローゼの全身に広がっていく。
ローゼは何度も深い溜息をついてたが、いつしか、それは軽い喘ぎへと変わりつつあった。
ユリアンの指先が、二つの果実の淡く色づいた頂を軽く摘まんだ。
既に固く立ち上がっていた果実の頂を指先で軽く擦られただけで、ローゼは昇りつめてしまいそうだった。
そんな彼女の様子を眺めつつ、ユリアンが片方の果実の頂を口に含んだ。
敏感になっている部分を舌の先で転がされたり吸われたりながら、もう片方は指先で弄ぶように絶妙な力加減で捏ね回される――湧き出る快楽に溺れるローゼは、身体の奥底が疼くと共に、自分の中から熱いものが溢れ出してくるのを感じた。
「あぁ……!」
身体をぴくりと震わせ、ローゼは甘い声を漏らす。
「身体の中が……『欲望』で、一杯になりそうです……」
切なそうに喘ぐ彼女の秘裂に、ユリアンの指が潜り込んだ。
「こんなになって……もう、欲しくなったのか?」
彼の重ねられた二本の指が、ローゼの蜜壺を掻きまわし、淫らな水音を立てる。
自分の奥底にある弱い部分を擦りあげられて軽い浮遊感を覚えつつ、ローゼは恥ずかしそうに頷いた。
いつの間にか着衣を脱いでいたユリアンの、猛々しくそそり立つ逸物が目に入ったローゼは、それが自分の中に挿し込まれるのを想像しただけで、全身が火照った。
ユリアンはローゼの白く滑らかな脇腹に唇を這わせながら、身体の位置をずらしていく。
彼はローゼの柔らかな太腿に手をかけ、彼女の脚を大胆に開かせると、蜜の溢れる秘裂に顔を埋めた。
濡れた花弁をなぞっていたユリアンの舌が、ローゼの最も敏感な部分――花芯を探り当てる。
彼の舌先が、とろりとした蜜をまとわせ、花芯を弄ぶように蠢いた。
「あ……いや……な、膣内に……くださ……い」
花芯への刺激が生み出す甘く鋭い快感に何度も全身を貫かれたローゼは、身悶えしながら懇願した。
「まだだ。俺は、お前が、そうして感じているのを少しでも長く見ていたい」
そう言うと、ユリアンは再びローゼの秘裂に顔を埋め、花芯への攻めを再開する。更に両手を彼女の乳房に伸ばして、その頂を指先で軽く捏ね回した。
「そんな……わ、私だけ……なんて……も、もう……ゆるして……!」
彼の技巧を凝らした愛撫で敏感な部分を同時に攻められたローゼは、喘ぎ、身をくねらせながら、幾度も昇りつめた。
「すまない、お前が気持ちよさそうにしているのが可愛くて、やりすぎてしまったな」
汗ばんだ肌を紅潮させ、ぐったりと快感の余韻にひたるローゼを抱きしめ、ユリアンは彼女の耳元で囁いた。
「俺も、そろそろ我慢できなくなってきた……挿入るぞ」
ユリアンの言葉に、ローゼは、こくりと頷いた。
彼はローゼの腰の下に枕を置き、両脚を開かせた。その奥の潤んだ秘裂に、ユリアンは先走りでぬめりを帯びて光る、自らの逸物の先端をあてがった。
徐にユリアンが腰を沈めるのと同時に、ローゼは自分の秘裂が押し広げられるのを感じた。
「ん……くぅ……ッ」
体内に押し入ってくる巨大な質量に、ローゼは思わず声を漏らした。
「どうした、辛いのか?」
ユリアンが、ローゼを気遣ってか、一旦動きを止めた。
「だ、大丈夫……です。ユリアン様の……大きくて……」
「ほう? 誰と比べているんだ?」
少し意地の悪い微笑みを浮かべて、ユリアンが言った。
「わ、私は……ユリアン様のしか……見たことない……です」
ローゼは、ユリアンの言葉に顔を赤らめた。
「でも、ユリアン様の……いつも……すごく擦れて……」
「分かっている。お前は、俺だけのものだ」
満足げに答えると、ユリアンはローゼと唇を重ねながら、深く腰を沈めた。
彼の逸物が、ゆっくりとローゼの中の狭い部分を押し広げながら進み、やがて、最も深い場所に到達した。
より深く密着せんと、ユリアンはローゼの唇を貪りつつ、彼女を何度も抱きしめる。
ローゼも、ユリアンを抱きしめながら、体内に受け入れた彼の逸物を味わっていた。
性急に動かず、互いの肉体が馴染むまで抱き合っている時間が、ローゼも好きだった。
「相変わらず、きついな……少し、動くぞ」
言って、ユリアンが、ゆっくりと腰を前後させ始めた。
彼の肢体に相応しく逞しい逸物の先端で、蜜壺の奥の弱い部分を突かれたローゼは、こらえきれずに甘い声を漏らし、身悶えした。
ユリアンが徐々に動きを速めていく。
溢れる蜜によって滑らかに送り込まれる律動の中、ローゼは、ふわふわとした浮遊感を覚えて、ユリアンの身体にしがみついた。
「お前は、こうされるのが好きだろう?」
ユリアンが両手でローゼの乳房を揉みしだきながら、その逸物で遠慮なく彼女を攻め立てる。
「あぁ……!」
身体の中心から湧き起こった爆発的な快感に、ローゼは悲鳴に近い声をあげると、その身体を弓なりに反らせた。
彼女の意思とは関係なく、ひくひくと収縮する蜜肉が、ユリアンの逸物を締め上げる。
ローゼが気をやったのを見て取ったユリアンも、低く呻いて、彼女の中に精を放った。
しかし、怒張が鎮まったと思ったのも束の間、逸物はローゼの中に残ったまま、再び硬さを取り戻した。
ユリアンが、抽送を再開する。
「んあぁ……ッ!」
一度昇りつめて敏感さを増した身体を貫かれ、ローゼは身をくねらせた。
「とても一度では足りん……もう少し付き合え」
息を弾ませるユリアンに囁かれ、ローゼは、ただただ頷いた。
それから、何度も体位を変えながら、ユリアンはローゼの肌を貪った。
彼の激しくも丹念な愛撫と抽送に、ローゼは何度も絶頂を迎えた。
やがて心地良い疲労感に包まれた彼女は、いつしか微睡んでいた。
ローゼは、ユリアンが自分の乳房の間に顔を埋めて眠っているのに気付いた。
起きている時は強気で傲慢とも言える表情を見せる彼だが、その無防備に眠る姿に、ローゼは胸の奥が疼くような感覚を覚えた。
ユリアンの、緩く波打った銀色の髪を撫でながら、ローゼは、ここ数か月の間の出来事を思い返した。
――ほんの数か月前まで、自分が奴隷同然の生活をしていたなんて、まるで噓みたい……
少し前までは想像もしていなかった幸せな生活を、彼女は手にしていた。
しかし、同時に、今の幸せを失う時が来るのではないかという一抹の不安を、ローゼは胸に抱いていた。
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