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真二郎「ニュース観ましたよ。息子さん自殺されたらしいですね。」
龍助「なぜそれを……!」
真二郎「もちろんこれに関してはあなたを庇う気はありません。あなたのせいで息子さんは自殺した。もうこの事実は変えられません。」
龍助「……ほっといてくれよ」
真二郎「そういうわけにはいきません。あなたは今やるべきことがある。あなたの息子さんも、あなたに認めてもらいたくて必死に努力した。息子さんの将来を、輝かしい未来を、無理やり地獄に変えたのは、あなたですよ」
龍助「もうやめろ……」
真二郎「あなたは、自ら命を絶った息子さんを救ってあげようとは思わないんですか……? このままだと、あなたは……」
龍助「もうやめろって言ってんだろおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は我慢できず叫んでしまった。
龍助「もう……思い出したくない……俺は息子を死なせた……そんなの分かってんだよ。俺が隆太のためにできることは、一生重い罪を背負って生きていく……それだけだ……」
その瞬間真二郎は、
真二郎「……そうですか。でもあなた、息子さんによくこうおっしゃっていたようですね。『どれだけ苦しい困難に直面しても、逃げずに立ち向かえ』と」
昔からずっと隆太に言い聞かせていた言葉だ。
真二郎「僕から見ると、今のあなたはまるで勉強をサボっていた時の息子さん、『隆太くん』にそっくり……このままだと、あなたは今ただ恐怖から逃げているだけ。このままでは、隆太のためにはなりませんよ」
俺はこの言葉に、少し救われたような気がした。俺は隆太が死んでからずっとそうだ。まるで世間から逃げ続けている「臆病者」そのものだった。
龍助「……教えてくれ木村。俺は今何をするべきなのか」
真二郎「分かりました。決意できたようですね。」
俺は木村のある「交渉」に乗ることにしたのだった……
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