迷える子羊たち

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「‥‥‥人間なんて、いい気なモンだよな。普段は互いにシカトし合ってるくせに、こんな時だけ良い子ぶっちゃって。自分だけは正義の味方でぇ〜す!‥‥なんて振りしてさ。全く、神も仏もあったモンじゃ無いかも知れないよナァ。。。」 「そんな事、愚痴ってたって仕方無いよ、修ちゃん。それよか、今日の晩御飯って、どうすんのさぁ!?」 その傍らで呆然としていた拓磨が、修二を宥めるかの様に話した。 「‥‥‥‥‥‥‥‥。。。」 未季が、ポツリと呟く。 「‥‥‥ア〜ァ、ワタシ達、まるで地獄に置き去られてしまったみたいよネ?‥‥せめて、園長先生だけでも、無事でいてくれれば良いんだけど。。。」 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」 ‥‥‥‥だ・け・で・も。 とかく、人間の子供と言うモノは、時折、残酷で破廉恥な物言いをしてしまう様な事があるのだけれど‥‥‥。その時、何かを思い出したかの様に、拓磨が、口を開いた。 「‥‥‥ネェ。‥‥‥ところで、ラッシュは何処へ行ったのかカナ?」 「‥‥‥‥‥‥‥!!」 因みに、若葉の里児童園では、施設の建物の裏庭で身寄りの無い犬が数匹養われており、中でも、ゴールデンレトリバーの『ラッシュ』と言う名の犬が、修二と拓磨のふたりと仲良しであった。 そのラッシュの行方なのだが‥‥‥。
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