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「‥‥‥ア〜ッァァァ!‥‥‥せっかく、のんびり出来る場所だと思ったのにナァ。」
‥‥‥まるで、気怠さそうに呟いている修二。深刻そうな表情を浮かべながら、拓磨は話す。
「‥‥‥それよか、これから、僕達、どうすんのさ。‥‥‥僕、お腹空いて、我慢出来そうにないよ。」
修二が、拓磨と未季に呟いた。
「‥‥‥なぁ。‥‥‥ところで、皆、今、いくら持ってる?」
修二・拓磨・未季の3人は、示し合わせたかの様に、全財産を見せ合った。その額は、全部でたったの380円。思わず、修二のお腹の鳴る音が、周囲に木霊した。
「‥‥‥なぁ。‥‥‥いっその事さ、誰かからお金を奪って、‥‥‥遠くの町まで逃げ出さないか?」
未季が、修二に尋ねた。
「‥‥‥誰かって、ダレ?」
修二は、答えた。
「‥‥‥誰でも良いよ!‥‥‥お金さえ持ってれば、誰でも良いだろ?」
拓磨が、修二に言った。
「そんな事しちゃダメだよ!‥‥‥そんな事したら、僕達、人間失格だよ?」
修二は、無機になって言い返した。
「‥‥‥だったら、この先、オレ達3人で、何をどうすれば良いってんだよ!?」
「‥‥‥アッ、あんな場所に、金庫みたいなモノが見えるぅぅ!!」
まるで、蜃気楼にでも取り憑かれたかの様な表情を浮かべながら呟いた未季に示されて、修二と拓磨も一緒に見たモノとは、少し離れた場所に泊まっているラーメン屋の屋台車。運転席側のドアが開いたままで、人の気配は感じられてはいない。その奥には、白い色をした金庫の姿。
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