モノローグ 〜 那由蛇の独り言

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モノローグ 〜 那由蛇の独り言

あの悪ガキ達と別れてから、アタシは、只管の様に屋台車を転がせて、被災した瓦礫の町並みを走り続けていた。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。 アタシの名前は、‥‥‥那由蛇。苗字は、その、‥‥‥実を言うと、アタシも未季ちゃんと同じで、記憶を失ってたのよネ。 物心が付いた頃。ふと気が付くと、アタシは、見ず知らずの山肌の道のりを歩き続けていた。靴も履かずに裸足のままで。今迄、何処で何をしていたのか、何処で暮らしていたのか、そんな記憶も無いままで、アタシは途方に暮れていた。暫く歩き続けていると、チラホラと民家の部屋の灯りが見え隠れする様になり、アタシは、その灯りを頼りに行く宛も無く彷徨い続けていたかしら。 街の灯りが安堵感へと繋がってしまったのかしら、アタシは、意識を失いかけてしまい、思わずその場で倒れ込んでしまったのよネ。彼女と初めて出会ったのは、その時の事だった。丁度、其処へ、年の頃は30代前半くらいの見知らぬ女性が通り掛かったの。
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