20 霜

1/1
前へ
/26ページ
次へ

20 霜

 夏休み。  私は従兄とドラゴン探しの旅をしていた。  今は森で野宿中。  突然、ゾクリとするほどの寒さに目が覚めた。  周囲には霜が降りている。 「……ストーレン、道が開けたようだ」  従兄が杖代わりの短刀を構えた。  私も杖を構えて息を潜める。  ――ドスッドスッ、と重たい音が聞こえてきた。  木々がドラゴンの吐息で凍てついていく。 「ストーレン。気を抜くんじゃないよ」  私はうなずくと力強く踏み込んだ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加