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スズはなされるがまま、まずは髪を修一に優しく洗われた。これまで何度も修一の身体から香ってきたシャンプーと同じ匂いが、スズの鼻を突く。
髪を洗い終えていざ体を洗うとなると、ぬるりとしたボディソープの泡とともに、修一がスズの腋や腹を撫でていく。
体を清めてもらったのは猫の姿の時だけで、居候していた時は一人で風呂に入っていた。
獣人としての体を修一の細い指が撫で回しているのだと思うと、ゾクゾクする。手つきもどことなく淫靡な気がして、自分の体がむず痒く火照っていくさまを感じながら、スズは声を押し殺した。
修一の指が下腹部、スズの性器に伸びた。
「あっ」
電撃に似た刺激が襲ってきて、身をひねって拒絶しようとする。
「や、だめ……」
これまでの卑猥な触れ合いでそこはすでにガチガチに硬くなっていた。知られたくなくて、顔を隠せばいいのか前を隠せばいいのかもわからない。
そこへ修一が腕を回してきて、スズの猫耳に唇が触れた。
「いやらしい想像してたか? ん?」
「だ、だって、修一の手がやらしい、から……」
背後の修一が腿を押し付けてきた。腰のあたりに硬いものが当たって、修一も自分と同じように昂っている事実に、スズはのぼせそうになる。
「しゅ、修一も……ひゃぁっ」
片手でゆるく羽交い締めにされながら、ボディソープで滑りのよくなった修一の五指がスズの高ぶりを扱いていく。
「ちょ、ま、っ、あ……」
先走りと泡とが混じり合って、スズの敏感なそこから脳内に直接刺激を送り込まれた。好きな人の手。普段は魔法のように人を美しくメイクアップしていく手が、今は自分のモノを触れている背徳感にスズはさらに興奮する。
「ぁ、っ、ふ」
逃げようとすると、浴室の壁に追い立てられた。スズは両手で掴めない壁を掴みながら、相手の刺激に耐えようとする。
「あっ、しゅういち、出る……」
振り返ると、風呂場の熱にのぼせたような表情の修一が、スズの唇を貪った。そのままキスと一緒に彼の手に追い立てられて腰を振っていたら、いつの間にかどろりとした感触が股の先から広がっていた。
夢中になっているうちに、達していた。その事実にスズは恐る恐る唇を離す。
修一の長細い指にかかったスズの体液が、シャワーに流されていく。
綺麗だと言われたからだろうか、一人で勝手に吐精してしまっても恥ずかしさより嬉しさが勝った。
修一ならきっと、どんな自分でも受け入れてくれる。
どちらともなく見つめ合うと、スズはまだ修一が欲望を溜めたままなのに気づいた。
「あのね……このまま、繋がっちゃいたい。もう二度と、他の誰かにいじめられて、犯されるかもって恐怖に怯えたくない」
修一の肩に縋りつく。
「修一をちょうだい」
見上げた先の修一が目を細めた。短くなった髪の毛先から水が滴り落ちている。
「こことベッドと、どっち?」
スズが浴室の外に視線を向けただけで、心が通じ合った。
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