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修一が、泣きそうなのか怒り出しそうなのか、余裕の失せた表情でスズに上半身を倒した。
「入ったよ」
繋がり合った感覚をゆっくりと味わいながら、キスをする。
「すきっ……修一、好き……大好きだよ」
「……そろそろ、動いてもいいか」
「すきっ……!」
「ははっ」
言葉すらもごちゃごちゃになったスズに、修一は破顔した。腰がゆっくりと動きだす。スズは襲ってくる快楽に備えて、修一にぎゅっとしがみついた。両手が肩に、足と尻尾が腰に回る。
「……煽るなよ」
「えっ……なんで、ひっ、ちがうのにぃっ」
修一がいつになく情熱的に腰を揺らして、ねっとりと奥を突いた。
「あーっ! きゅ、急に、おく、いぐっ、にゃ、あ……!」
「獣人は、感じやすいって、本当なんだな」
ちゅぱ、ぱつ、と水音が響くたびに、仰向けになっているスズの背がびくびくと仰け反った。
「あっ……ああっ」
今までの優しい修一はどこかへ行ってしまったらしい。スズは腰を逃そうと修一の臀部を必死に押さえるのに、修一の執拗な穿ちが止まらないせいで、思わず腰にしがみつく形になってしまう。
「スズ……スズ」
「ひぁっ、お、お尻、壊れ、ちゃうっ!」
「愛してるよ」
泣き声を息ごと奪われた。舌のざらりとした突起を舐め上げられてさらに高ぶらされる。修一の目から伝った涙がスズの頬の先に落ちて、二人の涙が混ざった。
「んんっ、んッ! すきっ! しゅ、修一……っ」
「気持ちいいか」
「ぅ、きもちい──あぐっ、ああっ!」
「かわいい……かわいいよ、スズ。なんてかわいい猫ちゃんだ……」
快楽を逃す場がなくて足の先がきゅっと丸くなり、抽送が繰り返されるたびに折れそうなほど腰がのけぞった。
「大好きっ、ううっ、しゅういち、しゅき……! しゅういち!」
修一が腰を震わせ、スズの身体の奥で熱が迸った。目の前が真っ白になる。大好きな修一の全部を受け止めた自分に、震えながら目を閉じた。
「修一……ぎゅってして」
「……うん」
いつになく甘い声が耳元で聞こえて、スズはぎゅっと修一の体温に包み込まれた。
「ずっと、こうしてくっついていたい」
「あぁ……いくらでも」
「ずっと、ずぅっとだよ」
修一に抱き寄せられて、スズの耳の先を唇で触れられた。
一生、一緒に生きていく。
出会いたての頃は夢物語だったそれが手の届く場所にある幸せに、スズは心がふわりと浮かび上がった。
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