ひんやり清く、どっしり温かく

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ひんやり清く、どっしり温かく

3/27(水) 桜も白木蓮も木の花々が 咲くのを目前に 冷たい雨や風に耐えている。 誕生日が近いせいもあるけど 3月終わりから4月にかけての空気が 私ほんと好きなんだわ、と この数年、自覚。 「光の二月、気温の三月」と 春はゆっくり、でも確実に近づいてきて 4月になるとワッと溢れる。 「春待ちの窓」という短編も この季節の空気感を書いた。 週末のお茶会の準備 着てゆく着物が変更になったので 長襦袢も変わり 半衿を付け替えました。 「これご自分でつけたんですか? 綺麗に付いてますね!」 この間、いせよしさんに褒められて え?そう?😊 綺麗に付いてるの?🥺 と1人でヒッソリ嬉しくなってる。 手縫いは好き。 ところでこまごまと着物の準備をしていると 部屋には匂袋の白檀や沈香が充満し 畳んだり広げたりで「衣摺れ(キヌズレ)」の音もして なんとも言えない ウットリとした気持ちになります。 懐かしい、というか 優しいというか、なまめかしいというか …記憶を辿ると 浅草や銀座に連れて行ってもらい 伯母の家に戻るとすぐ 手を洗い、口を濯ぎ 座敷に、「衣装敷き」をささっと広げ その上でするすると帯を解き 着物を落とし 紐やら襦袢やらを ぱあっと広げた あの時の、あの香り。 着物は衣紋掛けにかけて 湿り気を飛ばしてから畳みますが かけた衣装からは 伯母の体の匂いと香袋の匂いが混じったものが 家中に充満します。 着物というものは、直線的なもののようで 実は身に纏うと 絹という布の性質上、体の線がハッキリ出る。 ボディコンシャスな装い だから男性ウケもいいのかもしれませんね。 太った人は、 肩の厚さや背中の肉が誤魔化せない。 痩せてればイイかというとそれも違って 痩せぎすがいっそう強調されるので タオルを巻いたり、場合によっては 懐に綿を敷きます。 特にお尻は誤魔化せない。 正座したり、立ったり座ったりで お尻の形は顕(あらわ)になります。 四角張ったお尻、ペシャコのお尻は着物でもNG。 私の考える着物美人は 富士山みたいな人。 すべすべ、ひんやりした絹の手触りと 白檀の清らかな香り その割に安定感のある、 裾野のゆったりと広がるようなお尻をした 「富士山」みたいな感じの人がいいですね 4923e434-2b50-4f18-8b1b-ed48ac259716
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