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一昨日、お茶を立てる親友から
焦った感じのLINE電話がきた。
お正客(お茶席にまねかねる数人のお客のうち
上座に座って、亭主と問答などを交わす主賓)が
ドタキャンしたんで、ふじのんやってくれない？
無理無理無理
もうこれ以上何も覚えられないよ！
お茶やってる子に頼んでみてよ！
と言うことで、急遽
香道をやってる子が務めることに。
さすが、落ち着いてる様子。
床の間の拝見が終わって
いよいよ主菓子が運ばれてきて
茶会が始まった。
親友は初めて見たクリーム色の訪問着を着て
釜の前で神妙に濃茶を立て始めた。
釜の沸く、シュンシュンと静かな音
茶室の裏のツクバイのささやかな水音
障子に映る竹の影…
本当にここは東京のど真ん中？
私はお正客役の友達の隣に来てしまい
次客ということになった。
まあ、いいか。
教わったこと以外は
全てお正客に倣って真似しちゃえ！
薄い水色の
皿のように広がった茶碗に
ドロリとした濃茶がずいぶんたっぷり入ったのが
隣の友達の前に置かれた。
濃茶の場合、
一つの茶碗で3人が順に飲むのが正式らしいが
コロナ以後、めいめい茶碗になったそうだ。
ところが友達は、濃茶を茶碗に半分以上残して
結構なお手前でした、と
膝の前に戻した。
？？？？
コレ、じゃあ、私に回ってくるのかな。
どうしていいかわからず
モゾモゾしてると
ハントウさん(茶碗を運んでくるウエイトレスみたいな人)が
新しい茶碗を持ってきて
私の前には、その茶色い茶碗が置かれた。
？？？？
あれ、やっぱりめいめいなの？
ってことは
めいめいなのに、この場合は全部飲んじゃいけないの？
？？？？
私は練習して身についた流れで
濃茶を飲んだが
(喉がカラカラで、とても美味しかった)
お正客を真似して
半分残して戻した。
それを見た私の隣の男の子と
その隣の女の子も
半分残して戻した。
5人目からは
全部飲み干して戻した。
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