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「ふぅ……。この呪いは今すぐ解放することはできない。やはり、このまま私が呪いごと墓に入るしかないだろう」
「そんなこと、この俺が許すと思うか?まぁ、祓い屋にはここが限界だろうが、ここらからは俺に任せろ。“神の愛子”たる俺が何とかしてやるさ」
そう、ニッカリと笑った治に深くため息を吐いて元菊は肩を竦めて苦笑を浮かべた。
「いつもすまない、オサム」
「はは……!なんのなんの!親友のためならこれくらいどうってことないさ!」
そうして二人は肩を組んで帰って行った。
後に入った連絡で、呪いは無事に大林治と灰塚元菊の二人により解呪され、〈 怨念 〉はどこかに封じられたことを知らされた。
二人の力では封じることが限界だったと、口惜しそうに語る元菊の声を今でも覚えているという。
「でもね、元菊さんはこうも言っていたんだよ」
一呼吸置いて、会長は望桃と賢治へ視線を向けると過去の言葉をなぞるように語る。
『 私たちには“制約”が多く、封じることしかできなかった。 だが、彼らなら……私たちの孫たちならきっとこの件を解決に導けるはずだろう』
その言葉を聞いて、二人は顔を見合わせると「当然だ(ね)」と微笑身を浮かべるのだった。
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