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 「にーちゃんって、なぁに?」    テレビを見ていた七つ年下の弟のコタが、つぶらな瞳を僕に向けてそう尋ねてきた。  「は何かを見つけることだよ」  僕は簡単に答える。  コタは「みつける?」と、小首をかしげた。  「そう、何かを見つけた時に"みっけ!"とか"みぃつけた!"っていうアレだよ」    僕が続けて教えてあげると「わかったぁ!」と、嬉しそうに目を輝かせた。  僕がコタくらいの時も、こんなに"なになに星人"だったのかな?  四歳児のコタは最近、言葉に興味があるらしく、色んなことを聞いてくる。  だからその度に、あまり難しいこと聞いてくるなよ…と、僕は内心少しだけドキドキしている。  「こんな所に脱ぎっぱなしの靴下!」  僕たちの話を聞いていたママが、腰に手を当てて僕の靴下をつまんで仁王立ちしている。  「今、洗濯に出そうと思ってた」    僕は慌ててそう言って、ママの手から靴下を奪って洗濯機に放り込んだ。
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