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 コタがパインの乗ったのを、僕はカレーのかかったやつで、ママは大根おろしの乗ったハンバーグのワンプレートセットを注文した。  パインとハンバーグなんて僕は信じられない組み合わせだと思うけど、コタの残したのをもらって食べたら意外と美味しくて、驚いた。  見た目と想像だけじゃわからないこともあるんだな…   僕にとって新しいだった。  「まいにちだらけだねっ」  と、米粒を口の横につけたコタがニシシと笑った。  ママがその米粒をつまんで「食べこぼし」とコタの真似してニシシと笑う。  外食をすると、ママはいつもより優しくて、楽しい。    あ、これもかも…    僕もの連続に気付いてニシシと笑った。  「ママ、おしっこー!」  会計の順番を待っていると、コタがモジモジとおしっこダンスを踊る。    「ごめんユタ、連れていってあげて」  「ああ、うん。コタおいで」  コタはモジモジしながら、僕に手を引かれてついてくる。    用を足して、トイレから出たところでコタが「あぁ!」と声をあげた。  その視線の先に若い男女のカップルがいた。彼らは楽しそうに一つのパフェを分け合って食べていた。  女の人が「あ!」と、コタを見て驚いた顔をしてから「コタくん…こんばんは」とにっこり笑った。    「あゆみ先生…」  コタは少しだけ寂しそうな顔で、その女の人の名前を呼んだ。どうやら、保育園の先生のようだ。  彼氏だと思われる男の人も、にっこり優しい笑顔で「こんばんは」と僕たちに挨拶してくれた。  僕は二人の邪魔をしちゃいけない気がして、挨拶をしてから「ほら、コタ行くよ」と、コタの手を引いた。  
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