第7章 セフレと恋人の差は?

18/21
前へ
/166ページ
次へ
大地は同い年とは思えないような大人発言をして、ニコニコ笑っている。頬杖をついた指が自分の頬を軽くトントンと叩き、俺を見つめて、「だろ?」と言うと、俺はテーブルに肘をついた。 「俺たちは…お前みたいに器用じゃないんだよ」 「えー?俺、めっちゃブッキだよ。いつも聖香に怒られてるし」 「そうじゃなくてさ。今までの大地を見てると、ってこと」 「う?どこらへん?」 「天然かよ」 俺と大地はそう言って笑い合うと、ゆりえさんは少し考え込んでいたけれど、すぐにまた顔をあげて、 「大地さんも、色々あったんですか?」 と訊ねると、大地は頭を横に振った。 「いや。俺は自分の気持ちに忠実すぎて、周りの人を傷つけたりして来た悪い例」 大地はそう言って頭をかいて笑っている。ゆりえさんもプッと吹き出して、 「そうなの?じゃ、今は?」 ともう一度訊ねると、大地はニッコリ笑ってゆりえさんを見つめた。 「それでも、好きな人を諦めなかったから、ずっと一緒。子供も二人。ウチの実家で、両親と一緒に暮らしてるんだ」 「すごい…!貫いたのね」 ゆりえさんも驚いて目を丸くすると、大地は大きく頷いて立ち上がった。 「前の恋をしっかり踏ん切れないうちに、次の人に行っちゃった。元々その人のことを好きだったのに、見て見ぬふりしてきたんだけど、気づいちゃったら止められなくてさ。だから、周りの人たちも巻き込んだよ。迅もね。でも、そのやり方しか知らなかった。ガキだったんだ。でも後悔は全然ない。気持ちは、決まってたから」
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加