第8章 あの男を目指してるわけでは無い…はず?

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* 今日は、9月のとある土曜日。 まだ残暑で気温が27度越え。30度以上になることも多い。長袖なんて全然早い。そんな猛暑の名残を残している9月の2週目の週末に、みんなとカフェSnow WAVEで待ち合わせをした。 呼んだのは男だけ。 津門(ツトム)祥生(さちお)、大地。 のはずなんだけど、大地は急な事件発生に呼ばれてしまい、遅れて参加。…との連絡があって、その代わりに、と…。 「あ、あのぉ。…私は何をすれば…」 と大地が座る予定の席に、大地の妻、聖香ちゃんが座って少々フリーズ中。社交的なタイプではないようで、愛想笑いも苦手。引き攣ったニヒルな笑みだけど、それがなんか、怖い。髪はショートボブ。会うたびに短くなっていくようだ。それも可愛いけど。とはいえ、俺はゆりえをみんなに紹介したかったので、みんなは俺の隣に座るゆりえに興味津々だ。 「質問があります!」 津門が何故か挙手して言うと、俺はため息をついた。 「だめ。質疑応答の時間は、ない!」 「えー?!なんでだよー!!聞きたいだろ?お前ら。なぁ??」 と津門は立ち上がって言いながら、祥生に同意を求めている。祥生は眉を顰めて、 「分かったから、黙れ。黙って座っとけ」 と言うと、聖香ちゃんがキョトンとして目を丸くしてゆりえを見つめた。 「迅くんとお付き合いされてるんですか?初めまして」 聖香ちゃんが向かい側に座るゆりえに話しかけると、ゆりえも聖香ちゃんを見つめて大きく頷いた。
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