第8章 あの男を目指してるわけでは無い…はず?

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「凄いわぁ」 「見習わなくていいけどね?ゆりえは」 俺もフォークでカットしたミルクレープを食べながら言うと、ゆりえはクスッと笑って頷いている。 「そう、ね。私たちにはきっと、無理だわ」 「だろ?」 俺とゆりえは微笑みあっていると、雪子おばさんが大地の好きなアイスココアを持って来て、 「それにしても、今日の集まりは…迅くんの彼女お披露目会なの?楽しそうね」 と微笑みながら言うと、俺は頭をかいて頷いた。 「うん。まぁね。大地のおかげで、ゆりえが心を開いてくれたんだ。付き合うって返事もらって、嬉しくてさ。で、雪子おばさんも昔ちょっとコミュ障だったって言ってたろ?ゆりえもなんだよね。面接で失敗するんだって。何か良い方法とかないかな」 「私じゃ、お役に立てなそうよ。面接は苦手だわ。するのも、されるのも。ゆりえさん…でしたっけ?ゆりえさんの方が上手そうよ」 雪子おばさんは頬に手を当てて言うと、俺はゆりえを見つめて、 「ゆりえに会わせたかったのは、実はこの人なんだ。この人は坂井雪子さん。料理研究家としてテレビとかにも出てたんだよね」 と言うと、雪子おばさんは手を顔の前で横に振った。 「今はテレビには出てないわよぉ」 「雪子おばちゃん、俺、動画見たけど…」 「津門くん。余計なことは言わないでいいのよ」 雪子おばさんは笑顔で津門に言うと、津門は「あははっ」と声をあげて笑っていると、ゆりえは雪子おばさんを見上げた。 「あ。…見たことあります!料理番組の動画ですよね。隔週で料理人が変わって、ジャンル関係なくいろんな料理を作って…、えっ?あの坂井雪子さんが、…大地さんのお母さん?!」
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