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慎一が気にしているのは、俺にどう思われるか……ただそれだけだ。どうなっても、何があっても好きだという気持ちを唇から、触れる肌から全力で伝えよう。
「んっ……は。……あぁっ!」
浴槽の縁に手をついた慎一の腰を掴み、剛直を埋め込んでいく。コンドームとローションは部屋から持ってきた。あとで床を拭かないといけない。
いつもより中が熱い気がするのは間違いではないだろう。先端が前立腺を掠め、慎一から甘い声が漏れる。少し腰を引き、もう一度同じ場所を擦る。
慎一の先端からトロ、と糸引く水滴が湯船に落ちた。
気温が下がってきたぶん、視界は白い湯気に覆われていた。濡れる身体と、湯船どちらからも昇り立つ。幻想的で、たまらなく欲を掻き立てる眺めだ。
俺の形を知っている身体は、屹立を奥へ奥へと誘い込む。トン……と尻たぶに腰がついたのを合図に、律動を開始した。
動くたび、水もパシャパシャ鳴っている。もっともその音も慎一の嬌声も、広がる前に自然の水音がかき消していた。俺以外に聞こえない、甘い音たち。
「あ、あっ。あ……りょうたぁっ……」
「ん゙〜……」
うねるような内腔の動きに、思わず俺も唸ってしまう。きもちいい。腰にたまる快感は、もうそれほど保たないことを俺自身に伝えてくる。
当たり前だ。今日一日、ずっと触れるのを我慢していたのだ。旅先で見る慎一は新鮮で、愛おしくて。
「慎っ。好きだ……」
「あっ、う、うん……! りょぅ、ぼくもっ……んむぅ……」
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