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懸命に振り返ってくれるから、身体を倒して唇を重ねた。中の角度が変わって跳ねた身体を身体全体で押さえ込み、腰だけを激しく動かす。
脳が芯から溶けて、馬鹿になってる気がした。ただひたすらに快感を追い、悲鳴のような嬌声をキスで吸い取る。
「んぁ〜〜〜っ!!!」
スパートに慎一のペニスを一緒に扱くと、ガクガクと身体が震えだす。ぎゅうぎゅう締め付けてくる雄膣の誘いに乗って、最奥で欲を解放した。腰をグ、グッと押しつけると、ピュッと手に熱い精液がかかった。
「はぁ、はぁっ……」
荒い息を整えると、力の抜けた身体が重みを増す。このままでは茹だってしまいそうだ。
慎一を座らせてさっと身体を流し、お姫様抱っこで室内へと運んだ。くた……と脱力した様子が心配だったが、水を飲ませると幸せそうに笑う。
「温泉、連れてきてくれてありがとう」
一緒に予約したのに、そんなことを言う。俺も相当楽しんでいる自覚はあるが、慎一もずいぶんとご満悦らしい。
最初の目的が露天セックスだったってバレたら、怒りそうだな……。あれはやばい。外の開放感と雰囲気に、かなり酔ってしまった。用法容量を守らないとダメなやつ。うっかりアブノーマルに走ってしまいそうだ。
……俺ものぼせてるかも。馬鹿な考えを追い払って、一緒に寝室へと向かう。
仲良く並んだ布団のひとつに、ふたりで一緒に入った。浴衣や敷布団の感触はふだんと違うけど、眠りを妨げるどころか沈み込むような心地よさがある。
「おやすみ」
軽いキスをして、いつもの挨拶。ああ、幸せだな。夢も見ずに眠ることができそうだと思いながら、目を閉じた。
――翌朝もたっぷりと浴衣プレイを楽しんでしまったのは許してほしい。ふたつある布団はどちらも乱れたし、部屋付き露天風呂は朝も活躍したとだけ言っておこう。
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