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もちろん男は優勝した。
ただ回答席に座り、誰もよりも早く回答ボタンを押し、両隣の回答者が答えるはずだった答えを聞こえた通りに口に出すだけで正解になる。
いきなり現れた無敵のクイズ王を、いつしか マスコミや世間は早押し王子と呼ぶようになった。
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男「もうすぐ最後の収録か」
あっという間だった。
プロデューサー「人気絶頂の時に引退されるとは非常に残念ですが、最後に私の番組に出演してくださるとは光栄です」
男「俺も残念だが、もうクイズは飽きたんだ。最後の出演をあんたの番組にしたのは、日本国民が一番テレビを見る時間帯だからさ」
男は綿棒を使い切る前に引退しなければと、内心焦っていた。
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