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「あ……っく……っ」
ゆっくりと擦り上げられる動きを腹の内側で感じながら、優鶴はベッドのシーツを握りしめた。煌の動きが徐々に加速していく。
「あ、兄貴……っ」
「んっ……ん……ふ……っ」
煌の動きに合わせて声が出る。腰を打ちつけられるたびに出る声を我慢しながら、優鶴は下半身にこみ上げてくる甘い快感に目をつむって耐えた。
やがてそれは限界を迎え、優鶴は声をあげながら煌の背中に爪を立てて二回目の射精に身をゆだねた。
正面から揺さぶられたあとは、両肘をもって身体を支えられながら、後ろから激しく突かれた。自分の中を行き来する動きと自身の重みで、ひと突きごとの刺激が大きい。生理的な涙と汗がいくつもベッドの上に散った。
再び正面から身体を揺さぶられたのは、度重なる射精感に息も絶え絶えになった頃だ。朦朧とする意識の中、優鶴は煌がまだ一度も果てていないことに気づいた。
「こ、う……おま、え……まだイッ、て……」
イッてないだろ、と言おうとしたけれど、唇を煌の力強い唇によって塞がれる。
「……っ最後にとっておきたかったんだよ」
息を切らしながら、煌が笑う。すると煌はグッと優鶴の腰を持ち上げ、ラストスパートをかけるように斜め下から激しく突いてきた。
「うあっ、く……っう……んンっ」
内壁をえぐられる感覚に目がチカチカする。同時に男の部分を煌の手によって擦り上げられた。
「そ、れ、やば……っ」
「くっ……お、れも、イキそ……っ」
腹の奥からせりあがってくる波が徐々に大きくなる。薄目を開けると、汗ばんだ煌の額から一筋の汗が流れて目に入った。沁みたのか、煌が目を細める。優鶴は薄れゆく理性をかき集め、煌の濡れた目尻を親指で拭った。
そのときだった。大きかった波が、あとに引けないところまで大きくなっていることに気づいた。
「あ、あああ……っイ、ク……っ!」
揺さぶられながら、きつく目を閉じる。こみ上げてくる快感に耐え切れず、優鶴は煌の腹の上に精液を吐き出した。煌にもたれてしがみついたその瞬間、今度は体内で煌が爆ぜるのを感じた。それはどくどくと脈打っていて、耳元で聞こえる煌の息遣いと似ていた。
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