11

1/1
前へ
/11ページ
次へ

11

ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 「ねーえ、映里」 「なに…、これ。私と美結に何する気⁉ここ何処⁉前が見えないんだけど⁉ ただでさえあんな気持ち悪いの飲んで、はやく帰りたいのに!」 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 「へぇ、はやく帰りたいんだ。今に帰れるよ」 何処とは言ってないけど。 いつもクラスメイトに高圧的な態度を取っている、映里と美結が震えている。 心の底から嘲笑していると、今までの恨みや妬みが全て晴れていくような感覚がした。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 「ヒッッ」 映里が叫ぶ。 まさに声にならない響き、という感じだ。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 2人とも予想していたより大人しく、抵抗せずに従ってくれている。 期待外れだなぁ。 もっと暴れてくれたら、こっちだってやりがいがあったのに。 まぁそれもそうか。 あんなことをしておいて、異論なんて唱えられないよね。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 バリン。 ボトボトボト。 「やめて!」 「は?どの口が言ってんの?」 心が沸き立つのを感じた。 今なら、幾年分の思いを遺憾なく発揮することができる。 「覚えてるでしょう?あの時のこと。あんた、随分楽しそうだったじゃない」 「っ…」 許されないことは、私が許してあげるから。 許されないことを、今度は私がする番だよ。 私が許したんだから、映里も許してくれるよね。 ボトボトボト、ボトボトボト。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加