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「やっとテスト終わったーっ!」 中間テスト、最後の教科の終了を示すチャイムが鳴り、身体を思い切り伸ばす映里。 美結は疲れ果てたようで、机に顔を乗せて項垂れている。 地獄のテスト期間が終わって、全てから解放された気分。 映里は勉強しなくても軽々高得点が取れるけれど、私はそうじゃない。 何もしなくても才能と生まれ持ったもので戦える、映里にはなれないから。 それでも来年のクラス分けに響くから頑張らないと、と気合を入れて机に向かったから、少なくとも平均は超えてると思うんだよね。 前よりも順位上だったら、お母さんに服でも買ってもらおう。 テストの日は部活とかがない限り早く帰れるから、久々に3人で下校できる。 駅まで歩いてから、下り電車に乗って家へ向かう。 「なんかこの曲流行ってるみたいなんだけどさ、花緑青って言葉が出てくるのね」 大きく揺れる電車の中、映里がスマホを見せてくる。 立っていたので一瞬よろけそうになったけれど、なんとか踏みとどまってつり革を掴む。 顔を近づけて画面を覗き込むと、激しいながらどこか綺麗な映像がそこにあった。 映里が字幕をつけてくれたので、それを凝視する。 「なんて読むんだろ、美結知ってる?」 「さぁ。花に緑に、青?なんか可愛くない?ストーリーに使えそうな言葉じゃん。いい感じの写真に添えて、帰ったら上げよー。いいねいっぱいつくといーなー」 「ガチ楽しみ、待ってるね!」 前髪をいじりがら答えると、車窓の向こうに目を引く綺麗な雲が靡いていた。 そんなことについては話しもせず、しばらくそれを見つめていた。 夕暮れ時の雲が毒々しく、緑がかっていたことを2人は知らない。
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