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7
玄関のドアを開けながら、昨日のことを考える。
あれは果たして…。
でもまぁ考えたって何になる訳でもないか、と思考を放棄して空を見上げる。
今日も綺麗だ。
私達3人の、関係のように。
世界一の、大親友。
2人の絵を完成させた頃にはもう日が昇っていたから、目を開けていないといけないのが億劫だ。
それでも学校に行かないわけにはいかない。
今日も映里達が待っている。
「明依おはよー」
カツカツとローファーの音を立て、教室に入ってくる映里。
今日も美人だなぁ。
適当に映里の席の近くにあった席に腰かけ、画用紙を渡す。
「おはよー。こないだの絵、はい」
「あ、そーいえばそんなのあったけ?」
受け取るなり不満げな表情を浮かべた映里に言う言葉がなく、一瞬戸惑う。
頑張って描いたんだけどな。
とりあえず、精一杯笑ってみるけど。
「これなんか怖くね?」
「この目も変だし」
いつの間にか、美結も近くに立っていた。
「なにこれ。うけるー!」
沈黙の音もないまま、口を開く。
「昨日急いでやったんだからー、許してよー」
「はいはい、まーいっか。この色はマジで不気味だけどね」
教室に溢れ返る喧騒が、少し遠のく。
「それよりさー」
唇を尖らす映里は足を組み直し、気分の高潮を見せる。
「今日の放課後、このカフェ行かない?」
「あー知ってる知ってる、なんか色が超綺麗なとこでしょ?」
ちゃんと会話についていかないと。
映里に見放されたら私、終わりだもん。
「そうそう、この間隣のクラスの人が行ったってインスタに上げてたよね。めっちゃ美味しそうだったー」
「じゃあ決まりねー」
良かった、いつもみたいに会話ができて。
バリン。
バリン。
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