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玄関のドアを開けながら、昨日のことを考える。 あれは果たして…。 でもまぁ考えたって何になる訳でもないか、と思考を放棄して空を見上げる。 今日も綺麗だ。 私達3人の、関係のように。 世界一の、大親友。 2人の絵を完成させた頃にはもう日が昇っていたから、目を開けていないといけないのが億劫だ。 それでも学校に行かないわけにはいかない。 今日も映里達が待っている。 「明依おはよー」 カツカツとローファーの音を立て、教室に入ってくる映里。 今日も美人だなぁ。 適当に映里の席の近くにあった席に腰かけ、画用紙を渡す。 「おはよー。こないだの絵、はい」 「あ、そーいえばそんなのあったけ?」 受け取るなり不満げな表情を浮かべた映里に言う言葉がなく、一瞬戸惑う。 頑張って描いたんだけどな。 とりあえず、精一杯笑ってみるけど。 「これなんか怖くね?」 「この目も変だし」 いつの間にか、美結も近くに立っていた。 「なにこれ。うけるー!」 沈黙の音もないまま、口を開く。 「昨日急いでやったんだからー、許してよー」 「はいはい、まーいっか。この色はマジで不気味だけどね」 教室に溢れ返る喧騒が、少し遠のく。 「それよりさー」 唇を尖らす映里は足を組み直し、気分の高潮を見せる。 「今日の放課後、このカフェ行かない?」 「あー知ってる知ってる、なんか色が超綺麗なとこでしょ?」 ちゃんと会話についていかないと。 映里に見放されたら私、終わりだもん。 「そうそう、この間隣のクラスの人が行ったってインスタに上げてたよね。めっちゃ美味しそうだったー」 「じゃあ決まりねー」 良かった、いつもみたいに会話ができて。 バリン。 バリン。
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