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そう言って二人の方へ視線を向けていると途端に彼女らと目が合った。
目が合うのはいいのだが、何やら敵意を感じていた元音は彼女らと関わるのはやめておこうとすぐに視線を逸らす。
そんなことよりも久土和の登場を楽しみに待っていよう。
妄想しながら待つことにした元音は既に幸せな想像が頭の中で広がりつつあり、脳内を久土和いっぱいに満たし始める。しかしそこで元音は再びトイレに行きたくなっていた。
（さっきジュース飲んじゃったからなあ）
久土和は体育館外ですべき事があるのか、まだこのエリアには到着していない。彼が来る前にさっさと戻ってこようと斉藤に一声かけてから元音は体育館を離脱する。
そうして少し離れた先にあるトイレに入ると、手洗いをしているところで女子二人が元音の背後から「ねえ」と話し掛けてきたのだ。
この二人は先程も体育館にいたあの見学の二人組だ。いまだに二人からは敵意のあるような視線を感じる。
（えーっと、渡辺さんと、もう一人誰だっけ……）
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