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「すまん、食べさせんのは遠慮させてくれ」
久土和は首筋に手を当てながらそう言って断りの言葉を口にする。
元音は彼の言葉で瞬時に事を理解し、すぐに「全然っ!」と明るい声を出した。どうやら久土和はあーんをされるのを好まないようで、元音は久土和の苦手な事を記憶の中にしっかり入れていく。
(そっか久土和くんはあーんはダメと……これからも気をつけようっ! 次のアピールはどうしようかな)
そう前向きな考えで結論を出すと、すぐに頭を切り替えて久土和に綺麗なお皿に乗せたクロワッサンを差し出した。そうすると久土和は再びこんな言葉を口にしてきた。
「感じ悪かったな、すまんな平ちゃん」
声のトーンを下げて謝ってくる久土和に元音は驚きながらも言葉を返す。
「えっそんなの全然っ! 気にしないで大丈夫だよっ」
そう本音を彼に伝えると、久土和は驚愕するセリフを繰り出してきたのだ。
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